第13話 友情の証し

ソンジュとチョンソの2人の婚約を見届けようと会場に来たテファがミラの策略により警察に連行されてしまう。

警察に着いたソンジュはテファを待ちながら涙するチョンソの姿を見つける。
しかしユリと婚約してしまった自分を悔やみチョンソの側には行けなかった。

しかしチョンソが心配なソンジュは影でチョンソを見ながら電話を掛ける。

「すまなかった。
お前を捕まえる事が出来なかった…
今、何処にいるんだ?」

「お兄ちゃん…
おめでとう。
初めから私たちは駄目だったのよ。
今、友達がちょっと…」

「その友達は大事なんだね。
僕がその友達になれたらいいのに…」

遠目でチョンソを見つめながらソンジュはポツリと呟いた。

電話を切り肩を震わせて泣くチョンソを何も出来ずにただ見つめるしかないソンジュは、チャン理事にテファが釈放される様に計らわせる。

暫くしてテファは釈放されるがチョンソを冷たく突き放す。

「本当は私の婚約式だったのよ!!
婚約したかったわ!!
私に指輪を嵌めてくれるって言ってたんだから!!
お兄ちゃんの事さえなかったら婚約出来たんだから!!」

「何もかも奪われて…
婚約も駄目になって…
俺の所に来れば俺が受け入れとでも思ったか?
俺はお前なんか忘れた!!」

しかしテファの胸に光るチスから貰った婚約指輪を見つけたチョンソは激しく詰る。

「忘れたって?
だったら、何でこんな物をいつまでも持っているの?!
お兄ちゃんが振り回すから、こんな事になったのよ!
もしあの時、お兄ちゃんが私を呼ばなければ婚約したのは私だったのに!!」

テファは強がってチョンソへの思いを断ち切り指輪を捨てると振り返らずにその場を立ち去った。
チョンソはただ泣き崩れていた。

一人取り残されたチョンソが凍えて座っているとソンジュが現れた。

「凍えれば車に乗ってくれると思って待っていた」

ソンジュはチョンソを車に乗せてメリーゴーランドの前で思いを伝える。

「愛より友情の方がいい。
愛には別れがあるが友情は永遠だ。
世界一の親友になってくれる?
友達なら僕が辛い時も側に居てくれるよな。
友達なら、お前が辛い時、手を差し延べてもいいんだよな。
友達なら今、出来ない事も出来る」

ソンジュの提案にチョンソは黙って頷いた。

ソンジュは友情の証として婚約式で渡すつもりだった指輪をチョンソの指にはめる。
そして2人はアイスリンクでつかの間の時間を過ごす。

「友達になる前に忘れ物をした…」

ソンジュはチョンソのオデコに優しくキスをした。

ソンジュに見送られて帰宅したチョンソにユリが激しく詰め寄る。

「あんた、何処に行ってたの?
ソンジュさんと会ってたんでしょ!?
2人で何してたの?
あたしに隠れて何してたのよ!!
あたしの婚約式だったのよ!!
どれだけ待ち侘びてたと思ってるの!?
あんたのせいでなにもかも台なしよ!!
ソンジュさんの事、忘れてないんでしょ!?
自分が婚約する気だったんでしょ!!」

「えぇ、そうよ」

チョンソの返事にハンとミラは呆然とする。

「私、ソンジュさんを愛してる。
婚約だって私がしたかったわ。
でも、もう済んだ事でしょ。
彼と婚約したのは貴女。
それで良いじゃない」

「何が良いのよ!!
あたしなんか上辺だけの婚約者。
彼の心はあんたに有るんだから!!」

「その事は自分でなんとかしなさいよ」

「お姉ちゃん!!
あたしソンジュさんを愛してるの!!本当よ!!
だから、あたしからソンジュさんを奪わないで!!
お願い…お願いよ!!」

ユリさ嘘泣きをしてチョンソの足元にすがる。
ミラもわざとらしく言い放つ。

「いっそう、この婚約なかった事にしようかしら…
姉妹でこんな事になるなんて…」

「心にもない事を言わないで!!」

チョンソはミラを睨み付けて言い返した。

「チョンソ。
辛いのは判るが、その言い方はないだろう。
お前が居ない間、どれだけ悩んだと思っているんだ。
お母さんに謝りなさい」

ハンはチョンソを叱り付ける。

「そうですか?
私は死んだと思われたからともかく。
テファ兄さんの事は?
何で兄さんを誰も探さないの?
何処で何をしてるのかも気にならないの!?
パパも同じよ!!
兄さんさえ見つけてくれたら。
私がテファ兄さん探して見つけて来ますから!!」

チョンソは泣きながらもキッパリと告げた。

ソンジュが帰宅すると家の前でテファが待っていた。

「チョンソを幸せにするって約束したじゃないか!!
他の女と婚約だと?
俺は何の為に手放したんだ!!」

「ぶち壊したのは、そっちだろ」

「チョンソが自分から、婚約したいと言うとでも思ったか?
チョンソが断ろうが逃げ様が何故、引き止めなかった!?」

「もっと早くチョンソを自由にしてくれれば、こんな事にはならなかった!!
記憶を失っていたって知ってたなら!!」」

ソンジュは拳でテファを殴りつける。

「気が済むまで殴ったらチョンソを頼む…」

「あんた誰だ?
誰なんだよ!?
チョンソに何をした?
何故、騙してたんだよ!?」

「どうしても傍に置きたかった。
愛してたから…」

「なのに…どうして僕に?
どうしてなんだ!!」

「俺じゃチョンソを幸せにしてやれない。
お前じゃなきゃ。
チョンソは、T度もお前を忘れた事がない。
まだ遅くない。
チョンソを幸せにしてやってくれ。
頼む…」

テファは自分の思いを伝えた。

職場でユリとソンジュは婚約の祝福をされる。
ユリはチョンソに当て付ける様に公言する。

「お姉さんに私達のプレゼントを選んで欲しいわ」

チョンソは記憶を失っていた時にソンジュに言われた言葉を思い出した。

「冷たい手だ」

後日ソンジュにチョンソとしての自分の気持ちを込めた手袋を選んだ。
プレゼントを見たソンジュはチョンソの気持ちを想い喜んだ。

「とても暖かい」

その夜ユリに誘われてハン教授の家に招かれたソンジュはチョンソを待ちながら酒を飲んだ。

家の前にソンジュの車を見つけたチョンソは近くの公園でソンジュが帰るのを待つ事にした。

ソンジュはいつまで経っても帰宅しないチョンソを想い深酒をして泥酔してしまう。

一方ソンジュを迎えに来たチャン理事は途中で一人ベンチに座るチョンソを見掛ける。
ソンジュは結局チョンソに会えずハン教授の家を出た。
チャン理事の車で帰る途中に気を利かせたチャン理事はソンジュをチョンソの元へ送る。

泥酔したソンジュは帰ろうとするチョンソを引き止めて酒が冷めるまでそばにいてくれと頼む。
チョンソは立つ事さえも出来ない位に酔い潰れたソンジュの姿を見て、たまらなくなり泣き崩れてしまう。
そんな2人をチャン理事は遠くからじっと見守る続けていた。

ソンジュは友達でいようと必死に努力するがチョンソへの気持ちを抑え切れずに苦しみ、2人は仕事場で顔を合わせても言葉を交わす事がなくなった。

ソンジュはチャン理事に呟いた。

「辛いんだ…凄く苦しい…」

チャン理事は屋さしく語り掛ける。

「苦しんだ分、友達になれますよ。
お2人は子供の頃から良い友達でしたでしょ」

「今は色んな事が変わってしまって…」

「私から見れば、お互いを思う気持ちは変わってない様に見えますが」

「ハン・チョルスさんの居場所を調べて下さい」

ソンジュの気持ちを察したチャン理事は依頼を引き受けた。





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