第14話 涙の山荘

ソンジュの提案で友達になったソンジュもチョンソも気持ちが揺れ動く日々を過ごしていた。

テファはチョンソとソンジュの2人を結婚させてチョンソを幸せにしてあげたいと願いミラの元へ行く。

「5年前の事故の事を全て話す」

ミラはテファの言う事など相手にせず、ヤクザを使いテファに贋作を描かせ様とする。
テファはヤクザに捕まり誘拐されて倉庫に監禁され贋作を描く事を強要されるが拒み続ける。

一方ソンジュはチョンソとせめて友達としてでも続けたいと思いながら逆にチョンソを無視してしまう。
そんなソンジュの態度をただ見つめる事しか出来ないチョンソはチャン理事の計らいで海辺の家でソンジュと出会う。

「チャ・ソンジュ。
はっきり答えて。
私たち友達よね?
なのに完全に無視してる。
それが友達?
自分で友達になろうって言い出して、そんな態度で人を無視しても良いわけ?」

「何故か判るか?
頑張ってるんだ。
友達としてでも続けようって。
必死で頑張っているんだ。
判らない?
僕が夜、寝る時に何を考えてると思う?
お前の事だ。
朝起きて、何を考えると思う?
お前の事だ。
僕は一日中、お前の事を考えまえと苦しんでるのに、何ともないのか?
どうしてだ!!
何故、平気なフリをする!!」

「そうしなきゃ駄目でしょ。
辛くても平気なフリしなきゃ。
辛いわよ!死ぬほど辛い!
だからって、あからさまに態度に出したらソンジュさんは楽になる!?
ソンジュお兄ちゃんが揺れてるの見て、私はどんな気持ちだと思う!?
辛いのが判らないの!?
私にどうしろって言うのよ!?」

ソンジュもチョンソも泣きながら自分の思いを打ち明ける。

「泣くな…
ハン・ジョンソン!!
僕たち、どうしようか…?
いくら辛くても友達で居るしかないのかな…
お前は出来そうか?」

「ソンジュお兄ちゃんは出来るの…?」

「…僕は会いたい。
僕は会いたくてたまらない。
チョンソ、僕の傍に居るだろ?
居てくれるだろ?
チョンソ、お前は何処に居る?
チョンソ…何処に居るんだ!!
全く会えないよりはマシだよな。
いくら辛くても態度に出さない。
出来るよな?出来るだろ?」

チョンソは黙って何度も頷く。

「よし、じゃあ、これから本当に友達だ」

ソンジュが笑って見せる。

ソンジュの溢れ出る涙を優しく指で撫でながらチョンソは言った。

「そうよ、チャ・ソンジュ。
その笑顔よ」

改めて2人は友達になる約束を交わす。

一方、監禁されているテファの状況をチャン理事は調べ上げて報告する。
ソンジュは警察を差し向けてテファを助け出す。

ソンジュから、天国の壁画の前に呼び出されるチョンソ。

「お前がコノ壁画の前に立つと不安だ。
誰の事、考えているのか判らない。
僕なのか?ハン・チョルスか?
僕の事は考えるな。
もう僕の事を思ってくれとは言わない。忘れろ。
僕はお前さえ見つかれば済むと思っていた。
何でも、してやれると思った。
けど、お前が戻って来ても何一つしてやれなかった」

「何、それ…?
お兄ちゃん、らしくないわよ」

「ハン・ジョンソン。
友達として合格だろ?
僕たちの友情は永遠に続くんだぞ。ずうっと。
明日から出張だ。
知り合いの別荘へ行け。
静かだしアイディアを練るのにもいい」

ソンジュはチョンソを頼むと言う知人宛ての手紙を持たせる。

「これで良いのか判らない。
お前が戻って来ないような気がして…」

翌日、何も知らずに山荘へ行ったチョンソはテファと再会する。
ソンジュの気持ちを察するたチョンソ。

「私にはもう戻る所がないから、これからは妹として一緒にいさせてね」

チョンソは明るくテファ言ってに頼んだ。

テファはチョンソに託されたソンジュからの手紙をよんで複雑な気持ちになるが何も言わずに山荘でチョンソとの生活を始める。

ソンジュはチョンソへの思いを断ち切るかの様に大学時代の仲間の集まりにユリと同伴してパーティーに出掛ける。
ユリと仲良く明るく振る舞うがユリを家に送り届けてT人になると、やはりチョンソを思い出してしまう。
そして昔チョンソに贈ったカセットテープを聴き直す。
ソンジュは少年時代からチョンソは友達ではなく愛する人だった事を再確認して、たまらなくなってチョンソとテファのいる山荘へと車を走らせる。

山荘に着いたソンジュは窓越しに部屋の中を様子を覗く。
するとテファが慌てて家から飛び出して町へ向かって行くのを見掛けた。
心配になって窓越しに見に行くと熱にうなされてソンジュを呼ぶチョンソの姿があった。

薬局が閉まって薬を買えずに戻って来たテファ。
チョンソはうわ言でソンジュを呼び続けている。
テファは自分ではチョンソを幸せには出来ないと悟りソンジュに電話を掛けた。

山荘の近くで電話を取ったソンジュだったが「話す事はない」と断る。

「チョンソが熱を出してうなされて、お前の名前を呼んでいるんだ!!
俺は出て行くくから来い!!」

テファは強引に電話を切ると荷物をまとめて山荘から出て行ってしまう。

テファが去って行った後でソンジュは熱にうなされるチョンソの元へ駆け寄り診療所へ連れて行き眠るチョンソに呟いた。

「もう友達はやめだ。
もう、お前は友達じゃない!!
覚悟しとけよ」

朝になりテファは駅で汽車を待っていた。

病院で目を覚ましたチョンソはソンジュの決意を知らずに一晩中そばにいて看病してくれて、自分の手を握ったまま眠ってしまったソンジュの姿を見て呟く。

「こんな風にされたら余計辛くなるじゃない」

チョンソはソンジュの握っていた手をそっと離して、病院から抜け出してテファを追い掛けて列車に乗ってしまう。

テファは自分を追って来たチョンソを見て驚き姿を隠すが、列車が動き出す頃にチョンソを追って来たソンジュを見つける。

ソンジュは必死にチョンソを呼び続けて列車を追う。
そして急いで車でチョンソの乗る列車を追い続ける。

列車の中ではソンジュと別れたチョンソが再び熱にうなされていた。
そんな姿を見ていたテファはチョンソの隣に移り介抱する。
だが列車の窓から必死にチョンソを追ってくるソンジュの姿を見つ切なげに微笑んだ。

駅に着くと眠ってしまったチョンソがT人車掌に起こされた。
チョンソは慌てて列車を降りテファの名を呼びながら探し回る。

テファは遠目から間もなくチョンソを追って駅に着くだろうソンジュとチョンソを会わせようと決心していた。

そして必死の思いで駅に駆け付けンジュはチョンソを見つけた。

「もう絶対に離さない!!
愛しているんだ」

ソンジュはチョンソを抱きしめる。

テファは2人の様子を影で見届けつ去って行った。




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