第16話 希望の箱

テファの元にピルスがやって来た。

「婚約式の時にお前が逮捕されたのはミラの策略だったからだ。
あいつは酷い女だ」

ピルスから話を聞かされたテファはグローバルランドにいたユリを捕まえて激しく責める。

「チョンソから奪った全てをチョンソに返さないならば、いつでも5年前の事故の事を話す」

テファはユリを脅した。

一方チョンソは視界がぼやける事が増えて来た事が気になり眼鏡店で検査を受けて眼鏡を作った。
検査の結果5年前の事故が原因で角膜が傷付いて弱り、視力が落ちている様だと診断されて眼科での精密検査を勧められる。

チョンソはソンジュとの待ち合わせ場所に向かった。

「どうした?眼鏡なんて」

「最近 視力落ちたみたい。
どう?可愛いでしょ?」

「う−ん?」

「好きで眼鏡を作ったんじゃないわ!
お母さんも目の病気で亡くなってしまったし。
同じ病気だったら」

チョンソは不安な気持ちをを口にした。

「そんな事を言ってたら、視力が落ちて眼鏡を掛けている人みんなが癌になってしまうだろ?
良く見ると眼鏡掛けた顔も可愛いよ」

ソンジュはチョンソの不安を笑い飛ばした。

ソンジュは、お金が無いながらもチョンソと幸せなデ−トの時間を過ごす。
そんな2人を見守っているチャン理事はソンジュの泊まっている宿部屋に2人の為に御馳走を用意してくれていた。

一方、社長不在となったグローバルグループが窮地に陥り、ミン会長は緊急理事会を招集する。
心配したチョンソがチャン理事に会社の事を尋ねた。

「今日行われる理事会で後継者問題が解決しなければグローバルグループは最悪の事態を迎えることになる可能性があります」

理事から話を聞いたソンジュは母ミン会長が困っている事を知ると会社維持の為に母に歩み寄った。

「会社に戻ると言う事はユリとの婚約が条件よ」
ミンはソンジュにきっぱり告げた。

この日ソンジュとチョンソは海辺の家で会う約束をしていた。
そしてソンジュはチョンソに最後のプレゼントを用意していた。

チョンソの足元には貝殻が置いてあった。
空の箱に大切に入れて来たソンジュからの2つのプレゼント。
「信じる心」「希望」
チョンソが貝殻を見つめて3つ目のプレゼントに首を傾げる。

「貝殻をあけてごらん」

ソンジュはチョンソ促す。
そこにはソンジュがチョンソの為になけなしの2千ウォンで買ったペアの指輪が入っいた。

「最後で最大のプレゼント愛だよ」

ソンジュの気持ちに涙するチョンソ。

「お兄ちゃんが嵌めてくれなくちゃ」

ソンジュはチョンソの指に指輪を嵌めた。

ソンジュの深い愛とソンジュに対する変わらぬ愛を確信したチョンソはソンジュに言う。

「お兄ちゃんの居場所は会社なのだから、会社に戻って欲しい」

そこへチョンソがソンジュに内緒で呼んでいたチャン理事が到着する。

「私達がしっかりしていれば良い事でしょ?
私はお兄ちゃんと2度と離れたりしないから」

チョンソはソンジュに誓いを立てた。

そしてソンジュが理事会に出席した事で会社は救われた。

一方ユリは何とかソンジュを手に入れる為にミン会長に泣き付いた。
ミン会長も会社の信用と利益の為と考えてユリとソンジュの結婚発表記事を新聞に掲載させる。

そんな中ソンジュと待ち合わせをしていたチョンソはカフェに向かう途中、道端で目が霞んで倒れて病院に運ばれる。
精密検査の結果、5年前の事故の影響で角膜が弱り失明してしまう事
母親と同じ目の癌だった事が発覚する。

そして医師から命が大事だからと眼球摘出を勧められる。
絶望し途方に暮れたチョンソは父の元を訪れて母の最期の時の話を聞きに行く。

そしてチョンソの病気の事を何も知らないソンジュは、ただひたすらカフェで愛するチョンソを待ち続けていた。



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