第19話 ミラの計略

チョンソはもう一度ソンジュに会いたくなってテファに付き添って貰いグローバルランドへ行った。
しかし、お互い直ぐ側にいるのに気付かず結局、会う事は出来なかった。

「会えたか?」

「ううん…
会えなかったわ。
でもテファお兄ちゃんの壁画が見れたからいいわ」

テファと共に帰ろうとするチョンソの姿をソンジュが見つける。
しかし、あと一歩の所でソンジュはチョンソに追い付く事が出来なかった。

そしてテファはチョンソの目の手術費用を捻出する為にミラの策略だと知りつつも贋作を描く事を引き受けていた。

ミラはユリとソンジュの結婚式がT週間後に迫っている事から邪魔なテファを片付ける為に金は幾らでも出すから3日以内に贋作を仕上げる事を条件に出した。

徹夜をして贋作を描いているテファにチョンソは問う。

「何を描いているの?」

「お前の肖像画だ」

テファは嘘をついて贋作を完成させた。

チョンソは取引をする為に出掛けて行くテファを不安そうに見送る。

「早く帰って来てね」

「なるべく早く帰るから」

チョンソと約束してテファは取引先の駅に向かった。
しかし、テファはミラの計略で取引完了と同時に待機していた警察に捕まってしまう。

拘留されたテファはソンジュを呼び出す。
ソンジュは警察からの連絡を受て直ぐに駆け付ける。

テファはソンジュにチョンソの目が癌に侵されている事を打ち明けた。

「余り時間がないんだ。
今日か明日か…
いつ失明してもおかしくない。
自分はチョンソには何もしてやれない。
チャ・ソンジュさん
どうかチョンソを助けてやってくれ!!
チョンソの事なら貴方がT番良く知っている。
貴方が幸せならチョンソも幸せだし。
貴方が不幸ならチョンソも不幸だ。
俺は…俺はチョンソが幸せならば、それでいい…」

テファは泣きながらソンジュに頼んだ。

「釈放されたら直ぐに海辺の家に来て下さい」

ソンジュはチャン理事にテファの釈放の手配の指示を出す。
そしてチョンソの居る海辺の家に車を走らせながら、今まで病気を隠していたチョンソを想い何も知らずに笑っていた自分を悔やんでいた。

一方、チョンソは目が見えなくなる前にT度でいいからソンジュに会いたい気持ちとソンジュの元に連れて行って欲しい思いをテファの留守電に残した。
しかし、チョンソは完全に視力を失い海辺でソンジュの名前を叫びならがらパニックを起こしていた。

駆け付けたソンジュをテファだと思い込んでいるチョンソは必死でソンジュへの思いと会いたい気持ちを訴えた。

「テファお兄ちゃんが早く帰って来なかったせいで、もうソンジュお兄ちゃんに会えないじゃない!!」

ソンジュは何も言う事が出来ずにテファのふりをして無言でチョンソに寄り添うしかなかった。

海辺の家に戻ったチョンソが言う。

「最後にもうT度ソンジュお兄ちゃんに会いたい…
そして明るく別れたいの」

ソンジュはテファの振りをしてチョンソと共に出掛けた。

「目が見えない事ソンジュお兄ちゃんにバレないかな?
やっぱり行くの止めようかな…」

チョンソは不安な思いを口にする。
そんなチョンソの姿を見てソンジュは涙を零しながらテファに成り済ましてカフェに連れて行く。

ソンジュはチョンソを座らせて涙を拭いて上着を着替えるとテ−ブルを叩いてチョンソの前に座った。

「久しぶり…
顔色は良いわね。
私…ソンジュお兄ちゃんの事
吹っ切れたから会いに来れたの。
私を忘れてくれるわね?
全部、忘れてユリと結婚してね」

「チョンソ…何でだ?
どうしてなんだよ?
チョンソ、僕を見ろよ。
何で見ないんだ?
チョンソ?」

「なんだか悪くて顔が見られないの…
私はお兄ちゃんが幸せならいいの。
ねぇ判ってくれる?」

「判った…
君がそうしたいのなら別れよう」

「有難う…お兄ちゃん。
ねぇ…握手して別れましょ」

ソンジュはチョンソの手を握ったまま号泣した。

「泣かないで。
私…ソンジュお兄ちゃんが泣くの見に来たんじゃない。
笑って私を見送ってよ。
でないと心残りだわ。
私たち、いつの日か又、会いましょう。
その時には、お互い笑って話せるわよね?
チャ・ソンジュ、その笑顔だ」

チョンソは笑顔でソンジュに語りかけた。

ソンジュは耐ええ切れずに飛び出すと店の前に座り込み、背中越しのチョンソを見ては号泣するばかりだった。

そしてソンジュはテファの振りをしたままチョンソを海辺の家へ連れて帰る。
チョンソは余りに何も話さないテファに不安を覚えて問い詰める。

「テファお兄ちゃん…
何でずっと黙っているの?
私を捨てたりしないよね?」

丁度そこに釈放されたテファが現れて声を掛ける。

「ずっと側にいるよ。
少し休もう」

チョンソはテファに促されてベッドに入る。
テファと思い込み顔に触れたチョンソの顔色が変わった。

「ソンジュお兄ちゃんでしょ!?
どうして居るのよ!?」

手の感触でソンジュだと気付いた。

「同情されるのはイヤ!!
帰って!!」

「お前を放って帰れる訳ないだろ!!」

ソンジュは泣きながらチョンソに言い寄る。

「テファお兄ちゃん
お願いだから帰って貰って!!」

チョンソは布団を被って号泣した。
呆然として家を出たソンジュにテファは懇願する。

「チョンソを助けられるのは貴方だけだ」

ソンジュが家に帰るとテファを釈放した際に贋作を買い取ったとされる人物を探す為にギャラリーに警察の家宅捜索が入っていた。
ギャラリーは壊滅的な打撃を受けてミン会長は激怒していた。

ソンジュはチョンソの事を話そうと母ミンの元を訪れる。

「いつも一方的に話すばかりですね。
今日は話したい事があって来ました。
だけど無理なようだ」

ソンジュは会社の事ばかり一方的に話す母を見て退室する。

一方でミラはテファが釈放された事を知り、一週間後にソンジュとの結婚式を控えたユリに対してソンジュの管理を怠らない様に忠告する。

ソンジュはチョンソの病状を聞く為に医師の元を訪れた。
目の癌の事と失明の事
手術の成功率が極めて低い事
医師から聞かされたソンジュはチョンソを助けて欲しいと懇願する…。





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