第22話 永遠の愛に向けて
角膜提供者がテファだとは知らないチョンソは、手術が成功した後にソンジュと共に御礼を言いに出掛けて霊前で約束する。

「美しい物だけを見ます」

再び目が見えるようになり、ソンジュとの幸せな日々を送る中でフランス留学しているテファから手紙が届いた。

《チョンソ、幸せかい?
フランスに来て、もう一ヶ月になる。

もっと早く来てればって後悔してるよ。
お前は?元気か?
ソンジュさんが居るから安心だ。あの人なら俺も信頼出来る。

今頃、お前は病気も治って、目も見える様になってかもな。当たりだろ?
この手紙、自分の目で読んでるよな。

俺?もちろん幸せだよ。
実は俺の好みは外国人の女性だったみたいだ。
この子、どう思う?最近、付き合い出した彼女だ。可愛いだろう?

もう、お前が居なくてもT人で何でも出来るぞ。
料理も上手いし掃除だってプロ並さ。
だから、何も心配しなくていいぞ。
俺たち、いつか叉、会えるよ。必ず。
じゃあな。チョンソ。その時まで幸せに…》

チョンソは、泣きながら手紙を読んでテファの成功を願った。

ソンジュは、『テファ福祉財団』を設立してチョンソの仕事として任せる。
そして、基金設立パーティ−で受付の仕事をしていたチョンソは急に吐き気を催した。

ソンジュはチョンソを病院に連れて行き検査を受けさせた。

検査の結果、「脳に転移していて手術をしても助かる見込みが無い」と、医師から宣告されたソンジュは悩みながらもチョンソに事実を打ち明けた。

「最後まで、諦めずに治療を受けよう」

しかし、チョンソは動揺して治療を拒否する。

投げやりになるチョンソを見て、ソンジュは角膜提供者がテファであった真実を告げた。

「命を捧げたテファさんの為にも何があっても生きなきゃダメだ!!」

ソンジュは必死に説得する。

チョンソは、テファが死んで角膜を提供してくれた事が信じられず、ショックで泣き崩れる。

しかし、テファからのプレゼントを大切にして残された日々を大事に生きようと決心した。

それからのチョンソは、服役中のユリに面会に行き自分の気持ちを伝えた。
そして又、ユリもチョンソに泣いて詫びて謝罪した。

その後、入院中のミラの元を訪れる。

「私の目を見える様にしてくれて、テファ兄さんが亡くなりました。
私のせいです。だから全て許せます。
私も又、近く兄の元に行くので父の事をお願いします」

チョンソは、チャン理事に手伝って貰い、妻として初めてソンジュの為に手作りの料理を作った。

食事をしながらチョンソとソンジュは、お互いが出会えた事
愛せた事への感謝の気持ちを打ち明けた。

そして、展覧会でテファの描いた「天国の階段」が受賞した事とソンジュの顔が見れて願いが叶ったチョンソ。

「もう思い残す事は無いわ。
最後に思い出の海に連れて行って欲しい」

夕暮れ時の海辺を何処までも歩き続ける2人… 
 
そして、静かに別れの時間が2人に訪れる…。

「ねぇ知ってる?生きて行くって事は、生きるっていう事と死ぬっていう事なんだって」

「何処に行くんだい?」

「天国…そこは悲しみも別れもない苦しみもない世界なの」

「今…そこに向かってるのか?
先に行っても待っててくれるよな?
僕がお前を待ってた様に今度は、お前が待つ番だぞ」

「わかった…私…天国に行ったら、お兄ちゃんの事もっと愛せると思う。
そこは、愛しかない場所だから。
だから、本当に美しい愛が始まるのよ…」

「じゃあ、僕達の愛は、これからって事だね。
待ち合わせの時は、いつも僕が先に行って待ってたから…
今度は、お前が先に行って待ってるんだよ。
一緒に行ってあげられなくてゴメン…
僕を忘れるなよ。 

チョンソ愛している…ハン・ジョンソン愛しているよ。
チョンソ…さようなら…

チョンソ死ぬ程、愛してた…これからも死ぬ程、愛すよ…
僕達の愛はこれからだ。 
チョンソ…、また会える時まで…さようなら…」

チョンソは、ソンジュの腕の中で静かに灯を消すと天国へと旅立って行った。

海辺には、ショパンのピアノ協奏曲が流れていた。

たったT人残されたソンジュが数々の思い出を胸にチョンソを思い…
チョンソに向けて、ピアノを弾き続けていた。

ソンジュの前に広がる海は、穏やかで波は静かな音色を奏でいた。

FIN




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