第3話 事故の惨劇

チョンソの優しさに惹かれて好きになったテファは自分の気持ちを告白した。
しかし一方的に告白されたチョンソは困惑する。
挙げ句の果てに2人の仲はミラとユリの虐めのネタにされて父ハンにまで誤解軽蔑されてしまい家庭内で一人孤立してしまう。

その上チョンソが熱を出した時にうわ言の様にに呟いていた「お兄ちゃん」と言う言葉をテファは自分の事だと勘違いしてしまう。
テファはチョンソも実は自分を好きなのだと思い込んで学校では『チョンソ愛してる』の紙を掲げるなど過剰な想いを寄せてチョンソは困ってしまう。

だが優しいチョンソはテファの事を完全に突き放す事は出来ずに孤立した家庭内での唯一の味方を邪険にする事も出来なかった。

そして3年の月日が流れた。

チョンソは遂に待ちに待ったソンジュの元へ行けるアメリカ留学を3日後に控えて残りの時間を楽しくテファと過ごそうとしていた。
しかしテファの本心はチョンソの事が好きで留学して欲しくなかった。

チョンソも留学出来る喜びの反面、この3年間自分を支えてくれたテファをこの冷たい家庭に残して行く事が心配だった。
しかしチョンソが異性として愛するのは、やはりソンジュ一人だけであり、テファの事は兄としてしか見る事が出来なかった。

一方、ユリも諦めずにソンジュへの想いを持ち続けていた。
ユリは街中で酒に酔ったテファの気持ちを焚き付けてチョンソへの思いに再び火を付けさせた。

「留学に行かないで欲しい!お前が好きだ!」

再びテファから告白されてチョンソは困惑する。

2人のやり取りを目撃したユリはチョンソを攻め立て、2人の関係をソンジュに報告すると言い出した。

その時、ソンジュからチョンソに電話が掛かって来た。
翌日の帰国予定だったソンジュがチョンソの迎えの為に1日早く戻って来たのだった。

チョンソはグローバルランドで待つソンジュの元へ向かう為に家を飛び出した。

しかし、ユリは絶対にソンジュと会わせたくない為にチョンソを追い掛けて行く。

2人は中庭で殴り合いの喧嘩を始めて、ユリはチョンソ【愛の証】のペンダントを引き外してしまう。
2人を追って来たテファがユリを止める。
その隙にチョンソはソンジュからプレゼントされた大事なペンダントを握り絞めるとタクシーに乗ってソンジュの元へ向かった。

テファもチョンソを追い駆ける。
ユリは急いで家に戻ると父ハンの机の引き出しの中から車の鍵を持ち出してチョンソのタクシーを追い駆けた。

チョンソはタクシーを降りて歩道橋の上から笑顔で手を振るソンジュを見つけた。

「チョンソ!!」

「お兄ちゃん!!」

チョンソはソンジュとの思い出の写真を持った手を振ると対向側に渡ろうと駆け出した。

ユリの車の前を渡り駆けるチョンソ。
ユリは嫉妬心から、ためらう事なくアクセルを踏み込むとチョンソは跳ね飛ばされて路上に叩き付けられてしまう。

チョンソは事故の衝撃で頭から血を流して意識のないまま倒れていた。

ユリは動揺しながらも意識のないチョンソを後部座席に乗せて病院へと駆け込んだ。

一方、ソンジュは事故現場に駆け付けるがチョンソの姿はなく路上に血に染まった『海辺の家』で撮影した2人の記念写真を見つけて不安になる…。

ユリが駆け込んだ病院では大火事で負傷者が多数運ばれて来ており救急室は大混乱していた。
そして顔の損傷が激しく身元確認が出来ない女性の遺体がある事を耳にする。

その瞬間に悪魔がユリに囁いた…

ユリは車に戻るとチョンソのネックレスを首から引き外して、身分書の入った財布を身元不明の女性遺体のポケットにねじ込んだ。

そして意識のないチョンソの始末を実父ピルスに頼みに行く。

ソンジュはチャン理事から、チョンソは死んで病院の霊安室に運ばれたと聞かされ愕然として、その場に崩れ落ちた…。




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